このように給与水準を決定する要因は複数あります。ですからキャリアチェンジ転職で即戦力度が低く、給与水準が下がりそうなときに目減りを最小限に抑えたいのであれば、給与水準の高い業界へ行く、あるいは国内系から外資系に行くといったことを念頭に活動しなくてはなりません。

●なぜ年収を大幅アップした人は 一時的に給与が下がるのか?

 中長期的な視点で見てくると、年収を大幅にアップした人は、転職時に一度給与が下がっていることが多いようです。これは新たな業務にチャレンジをするために転職し、一時的に即戦力度が下がったものの、その後に新たなスキルやノウハウを身に付けて大きな成果を出せるようになったからです。

 目先の給与水準が下がるかどうかを気にする人が多いようです。将来的に年収の大幅アップを狙うのであれば、一時的に給与が下がるのは仕方がないにせよ、自分にとってチャレンジとなる職場環境で仕事ができ、その後に成果が出せれば評価される会社であるかどうかをしっかりと確認した方がよいでしょう。

 たとえば、今の年収が1000万円とします。1年目の年収は800万円だが、頑張って成果を出すと2年後に年収1500万円が可能であるオファーと、会社が無理して出してくれた年収1200万円のオファーであれば、絶対に前者を選んだほうがいいと思います。なぜなら年収を大幅にアップする可能性があるからです。

 もっと言えば、前者のパターンは「年収が下がった分」=「見えない給与」と考えることができます。新たな業務にチャレンジさせてもらうことで、今までよりもっと稼げるようになるためのスキルやノウハウを手に入れられるのですから。

●成果を出したら給与はどう上がるのか ストレートに確かめて構わない

 転職希望者にとって何より不安なのは「成果を出したら本当に給与を上げてくれる会社であるか」をどのように確かめればいいかということです。これは面接時に面接官にストレートに聞いてみれば良いと思います。遠慮する必要はありません。なぜならある程度の規模や、評価を得ている会社であれば、同年代の社員の平均給与や入社〇年目のモデル給与を教えてくれるはずだからです。逆に、教えてくれない会社は怪しいと見たほうがいいでしょう。

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