第26回 理科への興味・関心を促すきっかけ『教えて! 藤嶋昭先生 科学のギモン』 |AERA dot. (アエラドット)

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第26回 理科への興味・関心を促すきっかけ『教えて! 藤嶋昭先生 科学のギモン』

文・加賀見徹

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著者 藤嶋 昭(ふじしま・あきら)東京理科大学学長。1942年東京都生まれ。東京大学大学院博士課程修了。1978年、東京大学工学部助教授。1986年、同学部教授。2005年、東京大学特別栄誉教授。同年、日本学術会議委員。2006年、日本化学会会長。2010年、東京理科大学学長。1967年に酸化チタンを使った光触媒反応を発見し、化学の世界で「ホンダ・フジシマ効果」として知られる

著者 藤嶋 昭(ふじしま・あきら)
東京理科大学学長。1942年東京都生まれ。東京大学大学院博士課程修了。1978年、東京大学工学部助教授。1986年、同学部教授。2005年、東京大学特別栄誉教授。同年、日本学術会議委員。2006年、日本化学会会長。2010年、東京理科大学学長。1967年に酸化チタンを使った光触媒反応を発見し、化学の世界で「ホンダ・フジシマ効果」として知られる

イラスト JUN OSON(ジュン・オソン)1979年愛知県生まれ、東京都在住。愛知産業大学産業デザイン科卒業後、デザイン会社勤務を経てフリーのイラストレーターに。挿画やまんがなどを中心にアニメ、Tシャツのデザインなど幅広く活動中。「ZUCCa」とのコラボレーション、NHK『シャキーン!』の各種アニメーション、東海テレビ『かよえ! チュー学』、絵本『いろはであそぼ』などがある

イラスト JUN OSON(ジュン・オソン)
1979年愛知県生まれ、東京都在住。愛知産業大学産業デザイン科卒業後、デザイン会社勤務を経てフリーのイラストレーターに。挿画やまんがなどを中心にアニメ、Tシャツのデザインなど幅広く活動中。「ZUCCa」とのコラボレーション、NHK『シャキーン!』の各種アニメーション、東海テレビ『かよえ! チュー学』、絵本『いろはであそぼ』などがある

教えて! 藤嶋昭先生 科学のギモン

藤嶋昭著/植田幸司編集/JUN OSONイラスト

978-4907150327

amazonamazon.co.jp

 毎日の生活で感じる「何だろう?」「なぜだろう?」という疑問に答える『教えて! 藤嶋昭先生 科学のギモン』(朝日学生新聞社)が2014年の発行以来、多くの小学生や保護者などから人気を集めている。

 この本は『朝日小学生新聞』(同)の連載をまとめたもので、理科への興味・関心を促すきっかけとして「天気・空・海・陸のふしぎ」「宇宙の動きに関するふしぎ」「人間・動物・植物のふしぎ」「機械・材料・技術のふしぎ」「生活の中で見つけたふしぎ」の5項目に分け「晴れた空は、なぜ青いの?」「バーコードのしくみって?」「冷たい卵が『汗』をかくのはなぜ?」など56の身近な疑問や不思議なことを取り上げ、わかりやすく説明している。そして、15問の「へえ?! クイズ」や13の「みんなに言いたい! 豆知識」があり、巻末には25の「科学のことば」も付く。

 「光触媒反応」を発見した世界的科学者、東京理科大学学長でもある著者の藤嶋昭先生に話を聞いた。

■理科的な面白さを知る

「特に小学生に理科離れが起こっているといわれ、私は『七五三問題』だと思っています。小学5年生、中学2年生、高校2年生にアンケートをしてみると『理科が好き』という問いでは、小学5年生が7割、中学2年生が5割、高校2年生が3割程度になります。まず、それらを1割ずつ増やして『八六四』にしたいと思い、言い続けているのです」と藤嶋先生は言う。

 では、実際にどのようにしたらよいのだろうか。それは、身の回りの理科的な面白さを知ることからなのである。決して難しいことではなく、簡単なありふれたことでよいのだ。例えば、空はなぜ青いのか、雲はなぜ白いのか、などだ。そのようなことに興味・関心をもち、自宅でも話題にして、続けていくことによって面白さを知る。すると、徐々に「八六四」になっていくのではないかという。

■空が青く、夕焼けが赤い

 空はなぜ青いのか。それは、空気中の酸素や窒素が、青い光を散らすからだ。ヨーロッパの科学者の間では、空気中のほこりの中の小さな粒子が、7色の太陽光の中の青い光を散乱させるからと考えられていた。1871年にイギリスの科学者チルダンが、空気中の酸素と窒素の分子が太陽光の中の青い光を多く散乱させることを実験で示した。

 では、夕焼けはなぜ赤いのか。太陽が沈むときに、太陽の光は遠くからくる。たくさんの空気の層を通ってくる間に青い光は散らされて、赤や黄色が残る。だから、夕焼けは赤く見えるのだ。

■感動することも大切

 藤嶋先生は、この「空が青く、夕焼けが赤い」ことを実験で示した。使用したものは、先生が長期にわたって研究してきた「光触媒」の酸化チタンだ。その細かい粒をペットボトルの水の中に入れ、ボトルの底から懐中電灯の光を当てると、底の方が青く、上の方が黄色になったのだ。このような簡単な実験で示すことができ、先生自身も驚いたという。

 周りには何もない田舎で育った藤嶋先生。星や蛍の数を数えるような所だったこともあり「虹は、ほんとうに7色?」「なぜ葉っぱが赤や黄になるの?」「ツツジの花の点々はなに?」「金と鉄をくらべると?」「ペットボトルの特徴って?」「人類が使った石油の量は?」「世界中のお茶、どうちがう?」「氷はなぜ浮くの?」などの疑問は、大人になってからもち始めた。特に最近の方が興味があり、今、毎日が発見なのだという。

 自然界は、どうしてこのようになっているのだろうか。身の回りのいろいろな物事に興味・関心をもつことで、日々の暮らしが面白くなっていく。科学を楽しみながら、感動することも大切なのである。(朝日新聞デジタル &編集部 副編集長 加賀見 徹)


『sesame』2017年3月号(2017年2月7日発売)より
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18816



(更新 2017/2/ 9 )


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プロフィール

加賀見徹(かがみ・とおる)

 東京都生まれ。朝日新聞社 デジタル本部『朝日新聞デジタル &』編集部所属。監修・著書に『スタイリストになるための練習問題100』(雷鳥社)がある。2012年より『sesame』(朝日新聞出版)で「親子で読みたい本」を連載中。人・物愛好家。幼児教育研究中

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