第1239回 頭突きで起こしてくれるトラ 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1239回 頭突きで起こしてくれるトラ

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 幼い頃、社宅住まいだった私は、ペットといえばインコやヒヨコなど鳥類しか飼うことを許されなかった。そして、その可愛い鳥たちは1階のベランダで飼われていたため、ほぼ全員、野良猫に襲われて天に召されていったのだった。

 お陰で私は大の猫嫌い。独身の頃も犬しか飼ったことはなかった。

 そんな私がトラ(写真、雄)と出会ったのは3年前の冬。夫の職場に迷い込んだ子猫が、社員たちに可愛がられてエサをもらい、すみついた。土日は会社に誰もいなくて可哀想だからと、夫がその猫を週末限定で連れて帰った。

 母猫とはぐれ、野犬におびえながら数カ月過ごしていたトラは、臆病で、ダイニングテーブルの椅子の下に隠れて、出てこようとしなかった。

 トラが来るのは土日だけという約束だったので渋々了承した私だったが、トラを見た途端、あまりの可愛さにやられてしまい、翌日には猫用のベッドやおもちゃを買ってきて、夫や子供たちに爆笑された。

 もともと子供たちは猫を飼いたがっていたので、私の許可さえ出れば……と考えていたらしい。私はそのもくろみにまんまとハマってしまったのである。

 その日からもうなくてはならない家族の一員となった。家族全員がトラに癒やされ、話題に上らない日はないほど大切な存在だ。毎日、私の腕の中で寝て、朝は寝起きの悪い私を頭突きしながら起こしてくれる。

 娘が成人し家を出て、夫が単身赴任で県外へ行き、息子たちと私だけになってからも、トラのお陰でどんなに寂しさを紛らわせてもらっているか計り知れない。
 来年には双子の息子たちも進学し、家を出ていくけれど、トラと2人(?)でこの家を守っていこうと思っている。

(杉谷紀美代さん 山口県/49歳/会社員)

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(更新 2017/8/24 )


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