第1225回 ぬいぐるみをくわえ、褒めてくれ、と 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1225回 ぬいぐるみをくわえ、褒めてくれ、と

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 10年前、妻と立ち寄ったペットショップで出会った子猫が「さくら」でした。

 二人とも彼女に一目惚れしてしまい、飼うことにしました。すぐに大問題が起きることも知らずに。

 しばらくして予防注射のために動物病院に連れていくと、外骨症という骨が肥大する病気にかかっている、放置すると歩けなくなる恐れがあると言われました。

 一瞬、ペットショップに返そうかと思いましたが、1週間ほどの間に情が移っており、殺処分という彼女の悲惨な将来が脳裏にちらついて見放せませんでした。

 手術をお願いしましたが、その結果、足4本ともに爪のない奇妙な猫に。病気の進行はおさまったものの、足は変形したままで、歩きにくそうです。しかし、気分のよい時にはおもちゃにじゃれたりしています。

 足に障害のある彼女は外には一切出しませんし、出ようともしません。それでも外には興味があるのか、出窓から外を見るのが好きです。でも30cmくらいしか跳び上がれないので、出窓には手作りの階段で上がります。また、爪がないのに、へっぴり腰で猫用の爪研ぎやソファなどで爪を研ぐ仕草が面白いやらかわいそうやら。

 そんな彼女も野生の本能を見せることがあります。

 ぬいぐるみをくわえてきて私の前に置き(写真)、私を見上げるのです。獲物を捕ってきたから褒めてくれと言わんばかりに。ぬいぐるみをくわえたままの鳴き声は奇妙なものです。その度に頭をなでます。

 そんな暮らしの中で妻に先立たれ、さくらの弟分の雄猫にも死なれ、さくらと二人きりになりました。最近は私のベッドで1時間くらい手枕されてから自分の猫用ベッドで眠ります。

 これからも二人で一日一日を楽しく暮らしていきたいものです。

(金田淳さん 広島県/80歳/無職)

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(更新 2017/5/11 )


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