わが家の「にゃーにゃ」さん(写真)。10年以上前に、飼い犬の「じゃじゃ丸」と「姫」がいるのにも臆せず居着いた元ノラです。
 わが家の庭先にはよくノラ猫がウロウロしているのですが、ふと気がつくと一日中いる若い猫がいました。ドアを開くと家に入ろうとするし、呼ぶと「にゃー」と鳴いて走ってきて、おなかを出して甘えます。
 私たち夫婦も気になりだし、そのうちに可愛くなって、家族の一員に。
 まず動物病院に連れていったのですが、キャリーに入れず抱いて行ったため、通りかかった車のライトに驚いたにゃーにゃを逃がしてしまいました。こんな遠くに連れてきて可哀想なことをしたと後悔しながら「にゃーにゃ!」と呼ぶと、生け垣の隙間からひょっこり顔を見せました。
 そのとき、病院の先生に「あなたたちは、この猫に選ばれたんですよ」と言われ、なんだか縁というものを感じました。
 にゃーにゃは、わが家の2匹の犬が心配なのか、お散歩にもついてきて、近所の人に珍しがられています。
 以前、姫がよその犬にケンカを売られたときは、すっ飛んできて猫パンチを1発お見舞いし、流血騒ぎに。そのあとも、自分より大きなその犬をずっとにらみつけていたのにはびっくりしてしまいました。大きな犬が吠えてきたりすると、私たちの前に座り込み、やっぱりにらみつけます。
 そんな家族思いで強気のにゃーにゃですが、お散歩ではぐれたときなどはその場でずっと待っています。捜しに戻ると「置いて行っちゃうなんてひどいわぁ」と言うように、にゃーにゃー鳴いて走ってきます。それがなんとも可愛い。
 もうおばあちゃんのにゃーにゃですが、いつまでも元気でみんなを見守ってほしいと思っています。

(荒川邦江さん 神奈川県/54歳/主婦)

【原稿募集中!】
「犬ばか猫ばかペットばか」では、みなさまからの原稿をお待ちしております。
原稿は800文字程度で、ペットのお写真を添付のうえ、下記メールアドレスまでご送付下さい。
必ず名前、住所、年齢、職業、電話番号のご記入をお願い致します。

尚、掲載は本コーナーと「週刊朝日」の誌面となります。謝礼は6千円。
mypet@asahi.com
※著作権は本社に帰属します