「どうして、そんな笑顔でいられたの?」

「どうして、そんなに明るく死んでいけたの?」

 もし、彼らに会えたらいっぱいききたいことがある。そして、何よりも

「あなたたちが、思い描いた日本ですか?」

 そう問いかけたい。

 そんな話ばかりしていると、人によっては、

「大谷さん、右ですか?」

「戦争を美化していませんか?」

 なんて言葉をかけてくる。そのたびに、

「右でも左でもなく、前向きです」

「一度、訪れてから、ほんまに戦争美化かどうか考えてください」

 と言っている。

 だって、そこには、真実がいっぱいある。

「もっと勉強したかった」

「ちゃんと、感謝の言葉を言いたかった」

 そんな本音がいっぱいある。

 今、わたしたちは、勉強もできる。

 言いたいことも言える。

 誰も「明日死になさい」と、言わない。

 なのに、わたしは、何をしているのだろう。

 わたしは、何回ここに行ってもそう思う。

 そして、反省して、

「明日からも、せいいっぱい、彼らに恥ずかしくない人生を生きよう」

 そう思って帰る。

 でも、情けないわたしは、すぐに忘れる。

 そして、また、知覧に行く。