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第20回 終わりを意識する

文・大谷由里子

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マンガ/上大岡トメ

マンガ/上大岡トメ

 たしかにそうかもしれない。

 なんとなく、残りの人生の長さが想像できるようになる。

 そして、いつか「終わり」が来ることが、すごく現実的になる。

 50歳を過ぎた時、わたしは、大切な仲間を2人亡くした。

 どちらも、わたしよりも年下で、彼らには、わたしよりも限りない未来があると信じていた。

 ひとりは、人気カウンセラーで、本もベストセラー。

 孫もできたところで、彼みたいな人が、たくさんの悩むメンバーを救うと信じていた。

 そんな彼は、セミナーの最中に倒れて、そのまま帰らぬ人となった。

 その彼のセミナーに参加していたメンバーから聞いた話によると、彼の最後の言葉は、

「あきらめたらあかん」

 だったらしい。

 もうひとりも、熱い男性だった。

 商社で働いていて、中国との貿易を担当していた。

「もっと、日中の架橋になりたい」

 と、商社を辞めて、飲食のチェーン店に転職。

 中国で、彼が担当した店の立ち上げを成功させた。

 そして、日本に休みで戻ってきて、スキー場で行方不明になった。春先に遺体で見つかった。

 2人とも、その数日前まで、わたしも含めて仲間とフェイスブックでやりとりしていた。

 2人とも、その数日後に自分たちがこの世界からいなくなるなんて、ぜったいに思っていなかった。


(更新 2015/6/30 )


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プロフィール

大谷由里子(おおたに・ゆりこ)

 1963年奈良県生まれ。京都ノートルダム女子大学を卒業後、吉本興業に入社。故・横山やすし氏のマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし注目を集める。2003年、研修会社の志縁塾を設立。「笑い」を取り入れた「人材育成研修」は、NHKスペシャルなど多くのメディアで話題となっている。 現在は、年間300を超える講演・研修をプロデュース中。主な著書に『仕事で大事なルールは吉本興業で学んだ』(こう書房)、『はじめて講師を頼まれたら読む本』(中経出版)など多数。

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