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第18回 “遊び”を大切にする

文・大谷由里子

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マンガ/上大岡トメ

マンガ/上大岡トメ

 彼女は、大ぞの千恵子さんという。わたしよりも10歳年上。

 わたしが30代で彼女が40代の時だった。

 彼女とわたしは、よく一緒に遊んだ。旅行に行ったり、お酒を飲みに行ったり、有名な人の講演会に行ったりした。

 そして、彼女はよくわたしにごちそうしてくれた。そんな彼女に、

「いつも、ごちそうになってすみません」

 と、言ったとき、笑いながら、こんな言葉が返ってきた。

「何歳になっても、一緒に遊んでくれる人がいるって、財産だよ。人間、年齢を重ねれば重ねるほど遊んでくれる人の幅が狭くるの。あなたみたいに年下でわたしと遊んでくれる人は、大切にしなきゃ」

 その時は、「そんなものかなあ」と、思ったけれど、今になると、彼女のその言葉がすごく分かる。

 同年代や年上で遊んでくれる人はいる。だけど、年下に遊んでもらうのって、けっこう難しい。

「わたしに合わせてよ」なんて言っている時代じゃない。

 わたしたちが彼らに合わせなければ遊んでもらえない。

 それだけに、彼らからもらえる情報も大きい。

「そんな見方しているんだ」

「そんなものが流行っているんだ」

 とっても勉強になる。

 何よりも、年上とばかり遊んでいると、話題が健康とか病気の話ばかりになる。

 そんな話ばかりしていると、「夢」とか「希望」を忘れそうになる。

「僕、地域を元気にしたいんです」

「もっと、海外を見たいんです」

「映画を作りたいんです」

 と、いう話も聞きたい。

 また、年上の人とばかり遊んでいると、葬式、入院、病気と、遊べなくなる人が増える。

 いずれは自分もその仲間入りをするのかもしれないけれど、せめて自分が元気なうちは、遊べる人が増えるほうが楽しい。

 だからこそ、わたしは、「遊ぶ」ということをとっても大切にしたい。

 遊んでくれる人をいっぱい、大切にしたい。


(更新 2015/6/16 )


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プロフィール

大谷由里子(おおたに・ゆりこ)

 1963年奈良県生まれ。京都ノートルダム女子大学を卒業後、吉本興業に入社。故・横山やすし氏のマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし注目を集める。2003年、研修会社の志縁塾を設立。「笑い」を取り入れた「人材育成研修」は、NHKスペシャルなど多くのメディアで話題となっている。 現在は、年間300を超える講演・研修をプロデュース中。主な著書に『仕事で大事なルールは吉本興業で学んだ』(こう書房)、『はじめて講師を頼まれたら読む本』(中経出版)など多数。

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