長野県・志賀高原、木戸池。人気の撮影スポットで、この日は湖面から霧が湧き上がり、朝日に輝いていた。霧だけでも十分に美しいが、手前のヨシを画面に入れてアレンジ。霧とヨシの両方が輝く、光のピークにシャッターを切っている。ヨシの先端のラインが弧を描き、その中心に霧が位置するように、視線が霧に誘導されるようにフレーミングした。経験を積み、地形を覚えることで、このような構図の場所をすばやく探せるようになる■ニコンD800E・AI AF-S ズームニッコール 17~35ミリF2.8D IF-ED・ISO400・絞りf18・30分の1秒・PLフィルター
長野県・雨飾高原、鎌池。派手な色が押してくるような紅葉ではなく、地味な色合いと細い線の木々が繊細で美しい風景を生み出していた。ポイントとなるのは小さな島。アップで写すと安定感があり、構図的にはまとめやすいものの、単調になってしまう。そのため縦位置で、心象的な意味合いも含めて、水面を多く取り入れて写した。空を入れると明るさのバランスが崩れてしまうので、右下隅の空はできるだけ少なくなるようにフレーミングした■ペンタックス645D・smcペンタックスFA645 80~160ミリF4.5・ISO400・絞りf20・3分の1秒・PLフィルター
福島県猪苗代町・達沢不動滝。品よく見せたいのであれば、このように水をブラして写したほうがきれいに見える。昔は撮る前に水の流れを目で追って、シャッター速度を決めていたが、いまはデジタルカメラで一枚撮れば、どれだけバランスよくきれいな白糸を引くかがつかめる。滝や沢の周辺は風の通り道になっているので、どこまでブレを許容できるか、勘案したうえでシャッター速度を決める■ペンタックス645D・smcペンタックスFA645 80~160ミリF4.5・ISO200・絞りf20・0.8秒・PLフィルター