せっかくの夏休み、日々の通勤ラッシュから解放されたと思ったら、遠出しようにも帰省ラッシュでうんざりしてしまう。ラッシュを避ける方法はないものだろうか。
確実な方法としては、より混雑していない路線や、通勤時間が少ない都心に引っ越すというものがある。費用がかさみ、現実的な手段ではないかもしれないが、いま、どの路線が“穴場”なのか。
国土交通省では毎年、主要鉄道路線の「混雑率」を公表している。最新の2017年度のデータと、2016年度のデータを比較することで、どの路線が混雑率を改善させているかを調査してみた。
混雑率を改善させた1位は、小田急小田原線。192%から151%の実に41ポイントもの改善となった。2位は同・多摩線の17ポイント、3位も同・江ノ島線の13ポイントで、トップ3が小田急の路線で占めた。
なぜ、41ポイントという変動が起きたのか。それは小田急線が2018年3月に複々線による運行を開始し、輸送量が大きく増えたからだ。本線の輸送量が大きく改善したことで、それに接続する多摩線と江ノ島線の運行本数も増え、1割強の改善に繋がったとみられる。
なお、ここまでの改善は、当の小田急も"想定外"だったようだ。同社ホームページによれば、複々線による想定混雑率は160%程度としており、17年度の151%よりも10ポイントほど高い。これについて小田急広報はこう分析する。
「確かに当初の予想よりも下回る数字となりました。ただ、3月にダイヤ改正をしてから4月になるまでの短い期間の数値を発表させていただいたもので、この時期は学生さんの春休みにあたります。来年度の数値に通年の数字が出ると思いますので、注意深く見守っていきたいところです」
4位は相鉄本線で、144%から133%の11ポイントの改善となった。数字としては、3位の小田急江ノ島線に引けを取らない。いったいどんな要因があったのか、データを集計した国交省都市鉄道政策課の担当に聞いてみた。