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森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で連日、徹底究明を訴えるデモが起こっている。安全保障関連法への抗議を展開した学生団体「SEALDs(シールズ)」の元メンバーらが呼びかけ、諏訪原健さんもその1人。広がりをみえるデモの参加者を観察すると、ある“異変”が……。
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森友学園疑惑をめぐって、決裁済みの公文書が改竄されていたことが発覚して以来、路上での抗議の声が高まっている。首相官邸前での抗議行動には、12日(月)に5千人、14日(水)に1万人、16日(金)には1万5千人の人が集まった。さらに18日(日)に新宿西口で行われた街頭宣伝でも、4千人もの人々が駅周辺を埋め尽くした(参加人数はすべて主催者発表)。
抗議の様子を見ていると、多様な人々が今回の問題に怒りを覚えていることがわかる。私自身も、周囲と連絡を取り合って、抗議を呼びかけた人間の一人であり、首相官邸前のステージから訴えかけをすることもあるが、抗議の場では、自分たちが「主催者」であるという感覚はまるでない。
抗議の場を広く見渡してみれば、ステージ周辺以外の場所でも、あらゆるところで自発的にコールが起こっているし、ただ黙って首相官邸のほうを見つめる人もいる。周囲と話をしている人もいる。それぞれが自分にできる形で、「主催者」として抗議をしていることが一目でわかる。
特に興味深いのは、Twitterなどを見ていると、初めて抗議行動に参加した人が多いということだ。また仕事帰りに、スーツ姿で参加する人も、これまで参加した抗議行動と比べて多く見かける。それだけ幅広い層に問題意識が浸透しているのだと思う。
なぜこれほど短期的に、抗議の声が広がりを見せるようになっているのか。私自身は、普段の社会生活においては到底許されないようなことを、政府が当たり前のようにやっていることに対する怒りが強いのではないかと感じている。