9月14日、中国外務省は会見で、海洋監視船の領海侵入について、尖閣諸島の周辺海域は中国の管轄海域で、監視船の活動は合法だと、日本政府の抗議に反発した。騒動の絶えない尖閣諸島だが、ニュースキャスターの辛坊治郎氏は自民党総裁選挙に立候補した安倍晋三氏から「総理になったら尖閣諸島に人員配置する」という言葉を聞いたという。
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先日、民主党「大物」国会議員がオフレコを条件にこう語った。
「辛坊さん、日本は中国に強い態度に出るべきだってみんな言いますけどね、例えば尖閣に自衛隊を駐留させるようなことをしたら、戦争になりますよ。それだけの覚悟が、今の日本にあるんですか?」
その翌週、元総理大臣の安倍晋三氏にこの発言をぶつけると、彼はこう答えた。「今の日中間の経済関係を考えると、尖閣に人を置いただけで、中国が軍事力を使うとは思えません。私がもう一度総理大臣になったら、尖閣には人員を配備します」
皆さんは、どうお考えだろうか。尖閣に人を置いたら、中国は攻めて来るのか来ないのか?
安倍氏は同時に、「中国は尖閣諸島を国家の核心的利益と位置づけています。それはすなわち、この島を取りに来ることを意味します」と述べている。一方で中国は尖閣を取りに来ると言いながら、その一方で日本が人員を配置しても攻めて来ないというのは、どこか論理矛盾ではないかと思わぬでもないが、要員配備が今すぐの軍事力行使につながらないだろうという点では、安倍氏の見解に賛同したいと思う。しかし、これをするだけでも日本には相応の覚悟が必要だ。
※週刊朝日 2012年9月28日号