破産手続き中の格安旅行会社てるみくらぶ(東京都渋谷区)の社長、山田千賀子容疑者と同社経理担当の男を警視庁は11月28日、詐欺などの容疑で再逮捕した。
刑事事件にまで発展した最大9万人の旅行代金など約150億円の負債を抱えた旅行会社の経営破綻劇は決して他人事ではない。
東京商工リサーチの調査によると、全国の旅行業1,700社の2016年度(2016年4月-2017年3月)の売上高合計は、2兆6,241億3,100万円(前年度比2.2%減)と低迷し、利益金も155億7,100万円(同45.6%減)とほぼ半減した。
国内宿泊旅行の不振、テロによる欧州旅行の低迷などで旅行業界の環境は厳しく、特に売上規模が小さい企業ほど赤字率が高く、小・零細規模の旅行業者の苦境が浮き彫りになった。
また、2016年度に休廃業・解散した旅行業者は80社で、前年度より11社(15.9%)増加した。80社のうち、資本金1億円以上の企業はゼロで、資本金6000万円だったてるみくらぶのように中、小規模または個人企業が大半を占めた。