衆院選の投開票まで残りわずか。各メディアでは自民・公明の圧勝により与党で3分の2に届く勢いとの報道が相次いでいるが、安倍晋三内閣の不支持率は支持率を上回ったまま。与党が熱狂的に支持をされているわけではないのに、安倍一強政治は当分続くことになりそうだ。
ただ、選挙戦も終盤に差し掛かり情勢も変化している。アエラドット編集部が各メディアや調査機関の最終情勢調査を入手、分析したところ、最終盤でも55の激戦区が残されていることがわかった。
そのうち与党が30選挙区、野党が25選挙区でリードしている。ただし、いずれの選挙区も差はわずかで、調査によっては判定が逆転しているものも多い。選挙結果の行方は予断を許さない。
55の激戦区の最終盤情勢(上記のリンク参照)の中で注目してほしいのは、「与野党一対一対決の激戦区」「自民×希望・無所属×共産」「自民×希望×立憲民主」など編集部独自の分類で表をまとめたことだ。
前原誠司民進党代表が希望の党への合流を決断する際、繰り返し言っていたのが「与野党1対1の構図を作る」だった。2012年、14年の総選挙では野党候補者が乱立し、結果として与党圧勝を招いた経験があるからだ。
そこで55の激戦区のうち「与野党1対1」が実現した選挙区をまずはピックアップした。すると驚きの結果が明らかになった。該当した12の選挙区のうち、11選挙区で野党候補者がリードしていたのだ。
14年の衆院選では、沖縄県内の4つの選挙区うち3つで野党統一候補が実現し、勝利した。さらに維新の候補者が出馬した沖縄1区でも共産が勝利し、県内小選挙区の議席を野党が独占。「オール沖縄」の強さを見せつけた。
今回の衆院選では、新潟県が県内6つの小選挙区のうち5つで野党統一候補を実現した。いずれも与党と互角に選挙戦を進め、県内小選挙区のすべてで野党候補が勝利する可能性もある。野党統一候補実現に奔走した関係者は言う。