「沖縄県が基地問題を抱えているように、新潟では原発再稼働問題に県民の関心が高い。昨年の参院選、県知事選ともに原発再稼働が大きな争点になりました。急な総選挙で5区と6区は候補者支援の態勢構築が遅れましたが、野党候補を応援する市民の熱気は高まっています」
一方、「与党×希望・無所属×共産党」あるいは「与党×希望×立憲民主」の構図の激戦区は30もある。ところが、先述の「与野党1対1」とは打って変わって、与党優勢が22、野党優勢は8しかない。民進前職の希望候補者は嘆く。
「自分は民進時代から野党統一候補の実現のために共産党とも調整を進めてきた。それが突然、民進党の指示で希望から出馬することになって、さらに小池(百合子・東京都知事)さんの『排除の論理』で共産党の恨みを買い、候補者を立てられ、自民党に大きくリードされた。希望への逆風で比例も難しくなっている。野党統一も小池さんに全部ぶち壊されてしまった。共産党の刺客候補者擁立が間に合わなかった選挙区の希望候補は、小池さんの応援を断り、もう一度、“復縁”を共産党へお願いしている状態です」
そして候補者のぼやきは、共産党にも向けられた。
「希望の党の政策なんて民進党と大きな違いはないんですよ。それが、希望から出ることになって共産党に『自民党の補完勢力』なんて批判されるようになった。一部を除き、希望の候補者がいる選挙区に共産が対抗馬を立てたことで、みんな苦戦している。与野党1対1が実現していたら与党圧勝なんてありえなかった」
共産は、強固な組織を背景に1選挙区当たり1万〜2万の集票力があるとされ、激戦区の野党候補者にとって死活問題だ。だが、共産は希望への対決姿勢をむき出しにして、希望つぶしに動いた。こうなると、希望の候補者は小池百合子人気で無党派層の呼び起こしに期待するしかない。ところが別の希望の候補者は「小池さんに応援演説を頼みたくても、どこに電話をかけたらいいのかもわからない。党本部と称するのは、ずっと若狭勝事務所でした。こんなの政党じゃないですよ」と話す。
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