10年ぐらい前ですが、妻と終戦祈念日の靖国神社に行ってみたんですよ。どうなってるか見てみたくて。そしたらすごいことになってましたよ。人がいっぱいいて、日章旗やのぼりもいっぱい。

 おじいちゃんの兵隊さんたちは魚雷の周りで同窓会をやってます。バカなふりして「これは何のミサイルですか?」って話しかけたら、「我々の戦友はこれに乗って死んでいったんだよ」ってずっと説明してくれた。隣の遊就館で、すごい右寄りの映画が上映されていて、いろいろあるなーって思いながら帰ってきた記憶がありますね。

 戦跡や記念館に行って考えてみるっていうのは、僕らの世代には大事だなことだと思います。靖国神社は政治家の参拝で問題になることが多いけど、戦争で亡くなった方たちが眠ってるわけだから、平和を祈りに行くというのもありだと思います。靖国じゃなくても、戦争はいけないんだ、家族が死んじゃうんだ、人の家族を殺しちゃうんだって思うだけでも良いんじゃないかな。ちょっと前までシリアとかで起こっていたことが日本でも起こる可能性がある。それは嫌だなって。

 ただの理想だって言われるかもしれないけど、それが僕にできることです。

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