9月10日告示、21日投票の民主党代表選。野田佳彦首相が会期末に出馬表明すれば、無投票で再選ランプがともると見られてきた。党内の主流派や有力議員がこぞって「野田支持」を打ち出しているからだ。ところが、ここにきて対抗馬擁立の動きが激しくなっている。

 急浮上してきたのが田中真紀子元外相(68)だ。言わずと知れた政界の「激辛スパイス」。周囲の舌を簡単に麻痺させる。

「何しろあの話術と馬力だから、代表選が盛り上がることは請け合いだ。『ドイツやタイでは女性が首相。韓国でも女性大統領が誕生するかもしれない。日本もそうなるべきだ』と人を介して非公式に打診したら、まんざらじゃない様子だった。代表選の推薦人を女性議員20人で固めようという案もある。『真紀子擁立構想』を聞いた輿石東幹事長(76)は目を丸くしていたけどね」(擁立に動いている議員)

 ただ真紀子氏の場合、さじ加減を間違うと、二度と「店」に足を運んでもらえなくなる危険がある。

「真紀子さんも次の衆院選は危ないと言われているから、正式に誘えば本気になるかもしれない。だけど選対を組んでも、いつものようにわがまま放題やって、応援するはずの議員がみんな一斉にいなくなるんじゃないか」(党関係者)

※週刊朝日 2012年9月7日号