官邸サイドは、前川氏の社会的な信用を失墜させれば、加計学園の疑惑はなかったことにできると考えているのかもしれない。
しかし、前川氏がどのような人間で、どういう理由で「出会い系バー」に行ったのかなど、この際どうでもいいことだ。(そう言いつつ、僕自身もあんまりいい気はしない。前川氏の会見の動画を見てわかったことは、彼が教育行政の役割を非常に真剣に考えており、簡単に政権に左右されるような人間ではないということだった)
この問題は、官邸と前川氏個人との戦いで決着するようなものではない。問われているのは、私たち国民に対する説明責任だ。
ごく限られた対象だけを調査して、文書の存在は確認できなかったと言ってみたり、「政治の本質に関係ない」などとして、証人喚問などやらないことにしたりと、そんなことでは話にならない。
政権中枢の方々へ。自らに歯向かう者を貶めるために力を尽くすくらいなら、あらゆる手段を講じて真相を明らかにしたらどうですか。
論点をすり替えて、問題をうやむやにしようとする姿勢は、国民目線でみれば、卑怯に見えます。(諏訪原健)