「英語の習得は繰り返しが重要。一つの講座を続けていると、同じフレーズが後でまた出てきます。何度も耳にし、発声することで英会話の音や意味が脳と口の筋肉に定着しやすくなるのです」
とはいえ、続けていると飽きも出てくる。その場合は他の講座を受けて気分転換する方法も。中断しないことが一番大事なので、毎日続けることを目標に。
■ CHECK 5 ■ 放送は録音する
放送は必ず録音し、その日のレッスンの教材に使おう。
「リピートや頭出し機能がついているICレコーダーが便利です。PCやスマホ経由も音質がいいですし、イヤホンジャックと接続できるオーディオケーブルで録音できます」
1カ月以上たった録音は削除してOK。とっておいても聞き直すことはまずないからだ。ちなみに川本さんは2週間たてば消している。
■ CHECK 6 ■ ダイアログは1日80回繰り返す
5~15分の講座でも毎日、全部のダイアログを覚えようとするのは、想像以上に大変だ。川本さんは「1日1文が覚えられればOK」という。それだけで1年で200以上の例文が覚えられる。
「その日の講座で、これは覚えようという1文をダイアログから選んでください。その文だけ、繰り返し聞き、まねするのです。回数は80回。できれば100回繰り返すのが理想的です。それくらい繰り返して、脳に覚えさせるというより、口の筋肉に覚えさせる。考
えなくても口からパッと出るようにしましょう。英会話は瞬発力が大事なんですよ」
■ CHECK 7 ■ ディクテーションも効果的
1文レッスンになれてきたら、放送の音声を課題にして英文を書き起こすディ
クテーションにも挑戦しよう。
「ディクテーションは文法を覚えたり、語彙を増やしたりするのに最適です。音と文字がつながるようになれば、リスニングで聞き取りにくい前置詞や、音がつながって聞こえるリエゾンのルールも理解しやすくなります」
■ CHECK 8 ■ 話せたと実感できる日は必ずやってくる
始めたばかりの頃は、初心者の誰もがしどろもどろ。1文さえ最後まで言えないことが多い。
「でも大丈夫。一気にまねできないときは、1文を前半と後半に分けて、後半を先に練習してください。すると、前半からすらすら言えるようになります。英会話はスポーツと同じ。体が覚える時間も必要です。必ず『話せた!』と思う日がやってきます」
(取材・文/角田奈穂子)
※『AERA English2017春夏号』より
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