11日にオマーンと対戦した日本代表(写真:Getty Images)
11日にオマーンと対戦した日本代表(写真:Getty Images)

 11月15日にホームで行われるサウジアラビア戦は2018年W杯アジア最終予選における折り返しにあたり、勝ち点3が求められる試合だ。「相手は首位なので、ここをホームで叩くのは絶対にやらないといけない仕事」とDFの吉田麻也(サウザンプトン/イングランド)は語る。

 ここまでホームではUAEとの今予選初戦に1-2で敗れ、10月のイラク戦は大苦戦の末に山口蛍(C大阪)の劇的なゴールで2-1と振り切った。「ホームで正直、満足できるパフォーマンスを見せられていない」と吉田。ただ、2試合とも国際マッチウィークの初戦に当たり、欧州組が多く準備期間が短い日本には難しいシチュエーションであった。

 実際にここまでも2試合目の方がパフォーマンスは上がる傾向にあるが、今回は親善試合のオマーン戦から入るということもあり、選手起用やテストの効果も見込まれていた。“仮想サウジ”のオマーンに対し、新しい選手をテストしながら、戦術面でもサウジアラビア戦を想定したチューニングを行うという目論みがあった。

 4-0の完勝を飾ったそのオマーン戦で、1年4か月ぶりの代表復帰で2得点を記録した大迫勇也(ケルン/ドイツ)をはじめ、ここまで招集されても出場チャンスが無かった齋藤学(横浜FM)や丸山祐市(FC東京)、永木亮太(鹿島)を先発起用し、途中から22歳の久保裕也(ヤングボーイズ/スイス)もチェック。システムは4-2-3-1のままだったが、清武弘嗣(セビージャ/スペイン)と全く違うタイプの久保は「叩いて飛び出せ」という指揮官の要求に応えるプレーを見せ、終盤には同じ途中出場の浅野拓磨(シュトゥットガルト/ドイツ2部)と交代で右サイドに移った。

 一方で、クラブで出場機会に恵まれていない本田圭佑(ミラン/イタリア)と清武もスタメンで使って状態をチェックし、原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)や森重真人(FC東京)という本来の主力選手も途中投入した。足首に不安のある香川真司(ドルトムント/ドイツ)と合宿中に体調を崩した長友佑都(インテル/イタリア)は起用されなかったが、サウジアラビア戦に向けた選手のテストとコンディショニングという意味では大きな収穫を得たと言える。

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