種目別跳馬で銅メダルを獲得した白井健三(c)朝日新聞社
種目別跳馬で銅メダルを獲得した白井健三(c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る
2回目の試技を終えた白井健三
2回目の試技を終えた白井健三

 ひねり王子が跳馬で魅せた。リオ五輪の体操・種目別跳馬の決勝で、オリジナル技に成功。見事、銅メダルを獲得した。

 予選の上位8名で争われる種目別跳馬の決勝。白井は3番目の演技者として登場した。白井が今回挑戦したのは、自身の名を冠した技「シライ/キムヒフン」(伸身ユルチェンコ3回ひねり)から、さらに半分ひねる技だ。跳馬は2本の跳躍を行い、その平均得点で争うが、白井はこの新技に1本目で挑戦する。まだ誰も成功していないこの技で、白井は見事な跳躍をみせる。大きく1歩が出たものの、腰の位置が高い状態で着地をまとめ、15.833点の高得点をたたき出した。

 2本目の「ドリッグス」も大きなミスなくまとめると15.066点。2本の平均は15.449点となり、3人演技を終えた時点で暫定トップに立つ。

 しかし、この後に登場した金メダルの最有力候補、北朝鮮のリ・ゼグァンが、同種目の世界選手権覇者らしい演技をみせる。2本の跳躍で難度の高い技に挑戦、それぞれ大きなミスなくまとめると、平均15.691点の高得点をマーク。暫定トップに立ち、白井は2位に後退する。

 だがその後は白井を上回る得点は出ず、白井は暫定2位をキープしたまま最終演技者を迎える。最後に演技をするのはロシアのデニス・アブリャジン。すでにメダルは確定している白井、あとはメダルの色がどうなるかだったが、アブリャジンがここで着地をまとめてくる。1本目で大技を成功させると、2本目のリ・シャオペンも成功。2本平均で15.516点をマークした。これにより白井を抜き2位に浮上し、白井は銅メダルが決定した。

 種目別跳馬を、白井は次のように振り返る。

次のページ