大阪市の橋下徹市長がまたも豹変し、永田町を振り回している。少し前まで「民主党政権では日本がダメになる」(4月13日)と吠えていたのに、野田首相をベタボメし始めたのだ。
「やっぱり野田総理はすごい。(中略)確実に決める政治をされ、政界再編のきっかけ作りをしておられる」(7月10日)
さらには翌日のツイッターでもこうフォローした。
〈個別政策論ではなく、センターピンを打ち出し、決定しようとしている野田首相に期待している〉
この突然の"ホメ殺し"の理由について、さまざまな推測が流れている。
民主・自民・公明など与野党5党が7月6日、大阪都構想を実現させる法案を取りまとめ、今国会に共同提出することで正式合意したが、橋下市長には落とし穴が待っていた。
「5党案では『大阪都』を名乗れず、『大阪府』の名称のまま"都構想"をやるという不格好な形になった。橋下さんは『名前がすべてなのにセンスがない』と文句を言っていたが、あとの祭り。条文を作る時にきちんと詰めるべきでしたが、地方自治法を改正しなければ名称変更できないことを大阪維新の会の浅田均政調会長ら担当は誰も知らなかった。力不足を痛感し、首相をホメたのかもしれません......」(維新の会議員)
※週刊朝日 2012年7月27日号