プロゴルファーの丸山茂樹さんは、世界を目指す選手に足りない“一歩”を指摘する。
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米PGAツアーの「ファーマーズインシュアランス・オープン」(1月25~28日、カリフォルニア州ラホヤのトーリーパインズGCサウスコース)で、松山英樹(30)は通算7アンダーで9位。今シーズン初めてのトップ10でした。
最終日は前半で6バーディーと素晴らしい出来で、「あれ、もしかしたら」なんて思いましたけど、暫定2位で迎えたバックナインで3ボギー。珍しいケースでしたね。彼が後半に崩れるっていうのは。
11番パー3が一つのキーポイントでした。バーディーパットがカップにけられて2メートル残った。結局ボギー。これで流れを失ったのかなという気がしないでもない。でもポジティブに考えれば、前半であれだけのスコアを出せたというショットの勢いはさすが。1週休んで、2回優勝してるフェニックスですね。上り調子であることは間違いないので、楽しみです。
懸念された首の痛みも大丈夫だったようですね。僕の経験からいっても、首はすごく調子のいい日があると思えば、「え、またぁ~」みたいな日もある。爆弾みたいなものなんで、痛みがまたいつ来るのかなというのがある。
彼の中でも「これ以上打ったらダメかな」とか、寝て起きるだけでも「嫌だな」と思ってるはずですよ。変な格好で寝ちゃってなかったかなとか。僕もそういうプレッシャーで結構寝られない日がありました。
さて、PGAツアーにスポット参戦していた蝉川泰果(22)の3試合が終わりました。67位、予選落ち、67位。本人はアプローチの精度がまったく違うと感じたようですね。まあ、日本の選手が初めてアメリカに行ったら、確実にアプローチに悩むはずです。全然通じないな、と。あと、やっぱりそこへ簡単に外してしまうコースマネジメントの甘さ。
PGAツアーで難しいところへ打ってしまったら、容赦なくレベルの高いショットを要求されます。この連載でずっと伝えてきましたけど、みんなアプローチの重要性をもっと感じた方がいい。向こうへ行ってから「こんなはずじゃ……」というんじゃなく、プロなら、日本にいてもあらゆることに対応できるような取り組み方をすべきかなと思います。