4月15日に亡くなった愛川欽也さん(c)朝日新聞社 @@写禁
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 俳優の愛川欽也さん(本名・井川敏明=いがわ・としあき)が4月15日午前5時11分に肺がんのため、東京都内の自宅で死去した。17日、愛川さんの所属事務所が発表した。享年80歳。同日、密葬が営まれた。

 愛川さんは1934年6月25日、東京都豊島区生まれ。俳優座養成所などを経て、声優として多くの外国ドラマの吹き替えを担当。深夜ラジオ「パック・イン・ミュージック」に出演し、人気を不動のものにした。「キンキン」の愛称で親しまれ、「11PM」や「なるほど!ザ・ワールド」などのテレビ司会者として活躍した。映画「トラック野郎」では菅原文太さんと共演。「やもめのジョナサン」こと松下金造役を演じて大ヒットした。

 テレビ東京系の人気バラエティー番組「出没!アド街ック天国」では20年間一度も休むことなく司会を続け「情報テレビ番組の最高齢の現役司会者」としてギネス世界記録に認定されたが、通算千回を迎えた今年3月に降板した。

 また自ら脚本を執筆し、映画を監督したほか、劇団「キンキン塾」を主宰して若手の育成にも力を注ぎ、私財を投じて東京都内に200人を収容できる劇場「キンケロ・シアター」も建設した。

「今月18日には愛川さんが監督した8作目の映画『満州の紅い陽』が公開初日を迎えますが、愛川さんもうつみさんも初日の舞台あいさつには何とか出たいと言っていたのですが…」と愛川さんをよく知る芸能関係者も無念さをにじませた。

 所属事務所は「最期まで仕事に復帰する可能性に懸けていた本人の強い希望で病状を伏せておりました。根っからの仕事人間であった愛川は肺がんを発症した以降も仕事に情熱を燃やしており、息を引き取る直前まで『仕事に行こう』と寝言のように申しておりました」と最期の様子を明かした。

(ライター・戸崎圭子)

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