秋のおでかけシーズンもそろそろ終盤。でも、遠出をする余裕はないし、お金もかけたくないし・・・という人におススメなのが無料の施設見学だ。意外な穴場として、大手マンションデベロッパーの展示施設はいかがだろうか。
マンションの展示施設といえばモデルルームだが、あくまで販売が目的の施設なので、具体的な購入予定がないと足を踏み入れにくいものだ。今回訪ねた三井不動産レジデンシャルの体感型施設「パークホームズ イマジネーション ミュージアム」は、もちろん購入予定がなくてもOK。完全予約制なので、ゆったり見て回れる。11月には、マンション配管や構造などを見せる展示コーナー「インビジブル シアター」もオープン。モデルルームではなかなか見られないマンションの“隠れた部分”を見ることができる。
「マンション購入はこれまで、立地、価格、間取りの3要素で決まると言われてきました。しかし長い年月生活をする住居ですから、入居してからどう暮らすかがとても大事になってきます。またマンションを選ぶポイントも変化が見られます。そうした情報を提供し、マンションの長期にわたる価値を考え想像していただく場所と位置づけてつくりました」
同ミュージアムの川路武ディレクターは、この施設の意味をそう語る。
館内には、マンションの音や防災対策、エネルギー消費などのテーマ別にコーナーが設けられている。たとえば防災のコーナーでは、大地震のときに家具がどう倒れるか、避難路の確保はどうするか、停電や断水でどうなるか等について具体的にイメージできるようになっている。同館を訪れた人の多くが「こういう視点でマンションをみていなかった」と感想を述べ、川路さんも「私たちのメッセージが届いている」と手応えを感じている。
「インビジブルシアター」は、その名(インビジブル=見えない)のとおり、普段の生活では見ることのないマンションの配管や構造をAR(拡張現実)技術を使って可視化している。イヤホンをつけ、貸与のiPodを動画モードでマークにかざすと画面上にキャラクターが現れ、詳しく説明してくれる。マンション内に張り巡らされた上下水道管や雨水管、ガス管などの配管はスケルトンモデル、構造は分解モデルで解説している。
購入時、10年、20年、30年後の施設の経年変化についても動画で情報が流れる。ここでは年が経つほど植栽やコミュニティーが成熟し、暮らしやすくなる「経年優化」のコンセプトを提案する。
見えない部分をあえて見せる狙いは何か。「実は、普段目に見えないマンションの価値について紹介をしたかったので、入居時にはお伝えできない部分をあえて見て感じていただくことを可能にしたAR技術は、今回のコンセプトにフィットしました。さらにコンテンツを増やしていきたい」と川路さん。
もともとこの施設、マンション管理者のための研修施設として使われていたものをリノベーションしたのだとか。そのため、展示はかなり本格的。これからマンション購入を考える人にも、すでに生活している人にも、マンションでの暮らしについてじっくり考える機会が持てる場だ。「こうした情報を提供することも重要なコミュニケーションであると考えています」と川路ディレクター。業界のリーディングカンパニーとしての矜持がうかがえる施設だといえよう。
東京都中央区佃1-11-8。12月の開館日は、8日(日)、14日(土)。10時30分、13時30分、15時30分の1日3回。完全予約制。
問い合わせ:「パークホームズ イマジネーションミュージアム」サイト
http://www.31sumai.com/mfr/X9975/