真夏の衆院解散・総選挙はあるのか。橋下旋風はどう動くのか。政界の重鎮、森喜朗元首相(74)が、橋下徹大阪市長を"いずれ総理になる"と評価した。ジャーナリスト・田原総一朗氏との対談をお届けする。
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田原:森さんから見て、野田さんはどんな人ですか。
森:真面目な人だと思いますよ。まだ余裕がない面があるかもしれない。あまり冗談も言わない。笑わす材料があっても、とってつけたようなことを言うし。
田原:橋下徹さんは?
森:勇気がありますよね。味方するわけじゃないけど、彼はラガーマンなんだよ。橋下さんの出自の問題が週刊誌に書かれてたたかれましたね。彼はそれを逆手に取って、なんの衒(てら)いもなくやる。戦略を立てながら走っていくラグビーのやり方だなと思って見ています。だからあんまり間違ったところへ行っちゃいかんぞ、と心配もしています。
もう一つ言えるのは、矛盾したところや、人が触れたがらないところを彼は堂々とやる。でもじゃあ、どう解決するんだというと、今までは何もやってない。問題点を浮かび上がらせ鋭く指摘はしていますけどね。
地方財政にメスを入れるのは、国会議員にならなくたってできるじゃない。むしろ、しっかりと腰を落ち着けて、大阪市長として改革に邁進したほうがいい。それが成功すれば、いずれ黙っていたって総理大臣に迎えに来ますよ、誰かが。そのほうが夢があると思うよ。
※週刊朝日 2012年6月15日号