昨年の原発事故以来、週刊朝日は再三にわたって、情報を小出しにする東京電力の姿勢を批判し、社外の第三者の意見を採り入れた情報公開を求めてきた。そうした願いに共感する東電社員も増えてきてはいる。

〈再臨界で新しい熱源ができていることも、決して無理な想定ではない〉

 などと福島第一原発2号機の危険性をメールにつづった東電の技術系社員もその一人のようだ。事故から1カ月ほどして、同僚と話していたときのできごととして、

〈事故の現実とは関係なく、「チェルノブイリより規模を小さく見せるように」との指示があると聞き、びっくりした〉

〈複数の原子炉が爆発という世界的に例がない事故で「小さく」という発想には、同僚とはいえ、問題ではないかと強く感じた。このような観点からも、情報公開が事故当初は徹底されなかったのか〉

 と書いている。

※週刊朝日 2012年6月8日号