感染者が出た警視庁赤坂署(C)朝日新聞社
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「赤坂で感染者が出た」

 旧知の警視庁関係者から記者にもメールで連絡が届いたのは4月4日の朝だった。

 警視庁は4日、警視庁赤坂署刑事課に勤務する23歳の女性巡査が新型コロナウイルスに感染したと明らかにした。警務部によると、女性巡査と接触したとみられる署員65人や警視庁本部の職員8人を自宅待機させるという。支援措置として警視庁本部などから100人以上を署の業務の支援に当たらせるとしている。署員や巡査の家族にコロナの症状は確認されていないという。署では刑事課のオフィスを中心に消毒作業を行った。

 女性巡査は3月16日ごろからせきの症状があり31日に発熱して早退して以降は署に出勤していないという。4月2日に検査を受けたところ4日に感染が判明したという。

「感染した女性警察官が刑事課に所属していたと聞いてショックを受けた。すぐさま自分も感染しているのではないかと考えたくらいだ。自宅待機と言われてもそもそも警察のリモートワークは個々の職務の性質上、不可能に近い」(警視庁某署刑事)

 この赤坂署の件に先立って警視庁ではもうひとつ新型コロナ騒動があった。

 警視庁鮫洲運転免許試験場の免許課長である50代の男性警視が新型コロナに罹患していたことが判明した。警視庁によれば免許課長は先月30日に発熱して自宅で静養していたが、2日にPCR検査を受けたところ陽性と確認されたという。

 警視庁の警察官で新型コロナウイルスの感染が確認されたのはこれが初めてだった。試験場では講習の講師などを担当する交通安全協会の職員が新型コロナウイルスに感染したことがすでに確認されており1日から試験場は閉鎖されている。

「免許課長は、OBであり感染者であった交通安全協会の職員とともに職場の道場で剣道の稽古をしていた。それ以降、本部や各署での武道の訓練は中止されている」(警視庁関係者)

 ちなみにこの交通安全協会職員は一般の人と接する業務には従事していなかったという。

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