本人も、ファッション情報サイトのインタビューでこんな自己分析をしている。

「取材でも『大変だったことは?』『辛かったことは?』という質問をしていただくのですが、いざ話すとなると『何かあったんだけど、 何だったけ』みたいになっちゃって(笑)。基本的に“まあいっか精神”なので、家で家族に話して、笑いに変えて終わっちゃうんですよね。クヨクヨしないで、悩みがあっても寝たら忘れるタイプです」

 実際、彼女はその強さを折に触れて示してきた。前澤との堂々として折れない交際ぶりもそうだし、デビュー曲「友達より大事な人」を歌番組で初披露したとき、思い切り音程を外しながらも楽しそうに歌い踊りきった姿もなかなかのものだった。

 が、ベテランの演技指導の先生すら舌を巻くような強さは、一般的には理解や共感を生みにくい。人は時折見せる弱みだったり、逆境からの踏ん張りといったものを通して、その強さに理解や共感を抱くからだ。そういう意味で、破局はむしろプラスだった。「陰陽師」の反響のなかには「前よりやつれたみたいで心配」とか「大変だったけど頑張ってるんだね」といった声も見受けられたからだ。

 そして何より、オスカーの窮状である。米倉らが退社して、上戸や武井も育児などでフル稼働ができない今、彼女が頼りにされる可能性は十分にある。「陰陽師」がオスカーの会長によって企画され、テレ朝とオスカーの共同制作だったのも、彼女を再び推していくという意志のあらわれだろう。

 前澤との交際では、プライベートを優先しすぎるあまり、事務所の年賀状の晴れ着集合写真からも外されたほどだが、ここは名誉挽回のチャンスでもある。

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時代劇が「干された」タレントを救う?