捕手は40歳となるシーズンで102安打、打率.275をマークした矢野燿大(阪神)も候補となったが、40歳を過ぎてからの成績をトータルすると谷繁に軍配が上がるだろう。42歳で捕手として134試合出場し、盗塁阻止率.361は見事という他ない。3021試合出場はNPB最多記録だ。

 ファーストは王貞治(巨人)が40歳で引退する年に30本塁打を放っているが、こちらも40代のトータルで考えて落合とした。41歳となるシーズンにFAで巨人に移籍し、4番打者としてリーグ優勝、日本一に貢献。その後の2年間も連続して打率3割をマークしている。その後移籍した日本ハムでは故障もあって成績を大きく落としたが、44歳での規定打席到達はNPB最年長記録である。

 内野で難しかったのが二遊間だ。元々セカンド、ショートの選手でも年齢を重ねるとサードやファーストに回ることが多いからだ。そんな中でセカンドを選ぶと荒木になるだろう。40歳になるシーズンでも71試合でセカンドを守り、.994という高い守備率をマークしている。またこの年に5盗塁をマークしており、年齢を重ねてもそのスピードはさすがというレベルだった。

 ショートは荒木と長くコンビを組んだ井端を選んだ。巨人移籍後は坂本勇人がいたこともあって他のポジションを守ることが多かったが、40歳となるシーズンもショートで11試合に出場している。この年が現役最後のシーズンとなったが、同級生である高橋由伸の引退と監督就任に伴ってのものであり、まだ余力を残しての引退という印象が強かった。

 40代でキャリアハイに近い数字を残したのがサードの宮本だ。41歳になるシーズンで開幕からヒットを量産し、4月には初の月間MVPを受賞。シーズン終盤まで成績を落とすことなく打率3割をクリアし、ベストナインとゴールデングラブ賞を同時に受賞している。ちなみにこの年宮本の失策はわずか1で、守備率.997は三塁手としてNPB最高記録である。ショートとして名手として知られるが、サードに回ってからもその高い守備力は健在だった。

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外野手は遅咲きの強打者三人