マディソン・スクエア・ガーデン・エンタテイメント(MSGE)が、2020年1月~3月までの第3四半期における売上高が、前年同期の2億5,000万ドル(約268億円)から20%減の1億9,990万ドル(約215億円)になったと発表した。
MSGEの第3四半期の営業損失は、2019年同時期の1,860万ドル(約20億円)から今年は1億4,550万ドル(約156億円)になり、調整後営業利益は2520万ドル(約27億円)減となる720万ドル(約7億7,310万円)の損失となった。また会場閉館で全体的な費用が減少したことで、運営費は2,600万ドル(約28億円)減の1億3,280万ドル(約143億円)となった。
MSGEによると、今回の営業損失には、世界中のほぼすべての会場を一時的に閉鎖しなければならなかったダイニングとナイトライフ部署のタオ・グループ・ホスピタリティーの10億2,200万ドル(約1,098億円)におよぶ非現金の減損損失が含まている。
タオ・グループに加え、MSGEはニューヨーク市にあるマディソン・スクエア・ガーデンと隣接するHuluシアターを保有している。また同社はラジオシティ・ミュージックホール、ビーコン・シアターをリースしており、シカゴ・シアターも所有している。さらに、ラスベガスのベネチアンホテルに大規模なMSGスフィアを建築中だが、パンデミックによる建築資材の入手困難で4月中旬に建設が中断し、計画していた2021年の開業には間に合わないという。また承認待ちだが、ロンドンにも会場の建設を予定している。
現地時間2020年5月1日の時点で、MSGEは約14億ドル(約1,503億円)の現金と現金同等物および短期投資を行っており、これにはカリフォルニア州イングルウッドにあるフォーラムをクリッパーズ所有者であるスティーブ・バルマーに売却した純収入も含まれている。フォーラム売却の調整で、MSGEは約2億2,000万ドル(約236億円)の前金の現金収入があるが、これらはチケット販売売り上げとスポンサー収入に関連しており、払い戻し、クレジット、再スケジュールを通して対処される。
同社は「影響を受けた大部分のイベントは延期となり、日程の変更が予想される」と説明している。
MSGEは別の会社として独立した(ウォールストリートの取引開始は現地時間2020年4月20日)のが最近であることに言及し、今期の投資家への説明会は開かなかったが、会計年度末の際の説明会は予想される。また声明文で会長兼CEOのジェームス・ドランは会場が安全に再開できるようになれば、同社は新型コロナウイルスによって起こされた損失を乗り切られると楽観的な見解を示している。
ドランは「MSGEの独立が完了し、株主に長期的な価値を生み出す会社を作りあげたと信じています」とコメント。「我が社は何十年にもわたり人々を結びつけるビジネスに携わっており、不確実な時代を乗り越えられる適切な位置にあると確信しています。経験を共有したいという人々の生来の欲求は続くと信じており、忘れられないイベントを開催できるのを楽しみにしております」と続けている。