![Zoomのグループ分け機能で、各チームはオンライン上で「作業部屋」に分かれ、Slackやエクセルの画面を共有しながら議論を進めた(写真/編集部・石臥薫子)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/b/e/840mw/img_be182be247a844cc125f4b3e061e1fef60639.jpg)
![マイナビ・日経新聞調べ。2021年3月卒業見込みの大学生、大学院生が対象。調査期間は19年12月1日から20年3月20日まで(AERA 2020年6月8日号より)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/3/a/757mw/img_3ad91e1eb64133de5fec20a621b1aca0134281.jpg)
5月半ばの週末、33人の就活生が一堂に会し、ある課題に向き合っていた。といっても緊急事態宣言の最中。集合したのはオンラインでできるテレビ会議システム「Zoom」上だ。
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大学の研究室からホワイトボードを背に参加する学生がいれば、積み上げた布団が映り込んでいる人もいる。
「画面をSlackに切り替えて、もう一回ここまでの話を整理してみよっか」
「オッケー。ちょっとおなか空いたんでおやつ取ってくるね」
コロナ禍のもとで会社説明会や面接をオンラインで行う企業が増えているが、こちらはオンラインで行われたインターンシップの一コマだ。
■有事への対応力示す
実施したのは、人事業務システム大手のワークスヒューマンインテリジェンス(WHI)。インターンには会社説明会型のものから、選考過程に組み込まれたグループワーク型のものまでいろいろあるが、WHIの今回のインターンは、異色だ。
まず、大半のインターンには内定前の学生が参加するが、今回は3月末までに内定を出した学生が対象。さらに丸2日間、朝から夕方まで回線をつなぎっぱなしにして、対面式さながらの本格的なグループワークに挑んだ点だ。同社の採用担当、池田森さんは、その狙いをこう話す。
「コロナのもとでもまだ学生の売り手市場は続いており、6月以降、大手企業の最終選考の結果が出てきます。その前の段階で内定者には当社への入社の気持ちを固めてもらいたいと考えました。そのためには学生の心をグッとつかむコンテンツが必要。それは当社ならワーク型インターンだろうと」
同社の前身は、ワークスアプリケーションズ。2000年代はじめに、難度の高い課題に20日間かけて取り組む採用直結型のインターンを開始し、優秀な学生が殺到したことで知られる会社だ。当初は対面で行う予定だったが、このコロナ禍で、素早くオンラインでの実施に切り替えた。有事への柔軟な対応力をアピールできる期待もあった。