2月16日から確定申告の受け付けが始まった。会社に勤めていたり年金で暮らしていたりすると、税金は自動的に引かれるから関係ない......と思っている人は、ちょっと待った! 申告すれば、トクする可能性が高いのだ。
会社員や年金受給者の場合、所得税は給料や年金から天引きされている。会社員だと、暮れにその年の税額を再計算して、過不足の金額を納めたり戻ってきたりする年末調整がある。
しかし、実は自らが意思表示をしないと、所得税を納めすぎになっている場合がある。その代表的なものが、医療費、住宅ローン、寄付金などの支出だ。これらは控除といって、一定の金額を課税対象の所得から外したり、税額から差し引いたりできる。その手続きが確定申告で、2月16日から3月15日まで受け付けられる。
宝田・寿原会計事務所の宝田健太郎代表が解説する。
「税金を返してもらうには、漏れなく控除額を差し引き、課税される所得を低くすることがポイント。年末調整では、生命保険料控除など一部しか差し引いてくれません。『出産で医療費を払ったので控除したい』といったケースまで面倒を見てくれないのです。いろんな社員から膨大な領収書を会社に持ち込まれても困りますからね」
天引きされているから関係ないと思っていては損をすることも大いにあるのだ。
「特に今回は東日本大震災で被災地に寄付した人や、被災し家を修理した人など、税金が優遇される対象が幅広くなっているうえ、戻ってくる金額も大きくなっています。これまで確定申告に縁のなかった人も関係がある可能性が高いのです」(菊池美菜税理士)
とはいえ、「そもそも、どのようなケースでお金が戻るの?」といった人も多いのではないだろうか。
そこで、チェックリストを作成した。もし一つでも該当するものがあれば、「臨時収入」を手にする可能性がある。
□家族が病気やけがで医療費がたくさんかかった
□出産をした
□震災関連などで寄付をした
□自然災害などで家財などに被害を受けた
□住宅ローンを組んで家を買った
□省エネ、バリアフリー、耐震改修工事などを行った
□会社を辞めた
□年金暮らしの親がいる
還付の期限は5年間あるので、5年前のものでも申告できる。過去の出来事を思い出してみよう。
※週刊朝日 2012年2月24日号