まず、朝食から。朝食は元気の素といわれているが、それは糖化予防の面からも正しい。朝食を抜くと昼食後に血糖値スパイクが起こることがわかってきたからだ。
「できれば、ご飯やパンに、肉、魚、大豆製品、卵を追加してほしい。そのほうがより効果的です」(米井教授)
食事は、野菜・海藻から先に始め、よくかんで食べることでも血糖値スパイクを予防でき、AGEの増加を防ぐことができる。
アルコールについては、こう説明する。
「糖よりもアルコールを解毒する際につくられるアルデヒドが問題。たんぱく質と結合すると、最終的にAGEになることがわかってきたからです。特にアルデヒドを分解する酵素が少ない人、つまり“お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる人”は、アルコールでAGEができやすいので、飲みすぎには気を付けて」
さらに睡眠も、糖化との関係が深い。先の調査では、睡眠を7.5時間以上とる人は、6時間未満の人よりAGEがたまりにくいことが判明。また、睡眠をしっかりとっている人のほうが、食後の血糖値スパイクが起こりにくいことも明らかになっている。
ここに関わっているのが、睡眠ホルモンのメラトニンと、ストレスホルモンのコルチゾールだ。
「メラトニンにはAGEを分解する作用があります。実際、被験者にメラトニンのサプリメントを飲んでもらうと、AGEの量が減っていました。一方のコルチゾールは、血糖値や血圧を上げる作用があります。睡眠不足になると増え、血糖値を上げるのでAGEをつくりやすいのだと考えられます」
運動についても、研究結果で明らかになったことがある。軽い運動を5分でいいので毎日続けると、血糖値スパイクを減らせるのだ。
「糖の70%は筋肉で使われます。筋肉を動かせば、それだけ糖が代謝され、AGEがつくられにくい。太ももの筋肉である大腿(だいたい)四頭筋を鍛えるのがポイントで、スクワットがお勧めですが、つらければ柱やテーブルにつかまってもOKです。ウォーキングもいいですね」