6月4日、この日、皇太子ご夫妻は午後1時半過ぎに自衛隊機で仙台空港に到着した。瓦礫(がれき)が散乱し、津波の爪痕が生々しく残る宮城県岩沼市下野郷に足を運び、被災状況を視察。犠牲者に黙礼した。
その後、被災者を見舞うためマイクロバスで山元町の避難所、山下小学校と山下中学校へ向かった。避難所でご夫妻は、100人近い被災者に「大丈夫ですか」「お元気ですか」など、気さくに声をかけ、励ました。だが、被災者からは、逆に雅子さまの体調を気遣うこんな声も聞かれた。
「だんだん疲れてきたのか、雅子さまの顔色が白っぽくなってきて......。私は雅子さまとお話しできて嬉しかったけど、ご病気なのに来てもらって悪かったかねえ」(80代女性)
「雅子さまに『私たちは命が助かったから、なんとか頑張ります。それよりも愛子さまが心配な状況だから、あまり無理しないでください』とつい申し上げてしまいました」(50代女性)
雅子さまは「大丈夫です。ありがとうございます」とほほ笑みながらうなずく場面も多かったという。
一方、天皇、皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻、悠仁さまはご静養のため、この日葉山に入られた。両陛下が初めて被災地入りされたのは4月27日、秋篠宮ご夫妻は5月10日だった。皇太子ご夫妻が被災地入りまで3カ月近くを要したのはなぜなのか。宮内庁関係者が苦しそうに言う。
「皇太子ご夫妻の都内近郊での2回のお見舞いは、いずれも愛子さまの学校が休みの土曜日でした。雅子さまにとって、愛子さまの付き添い登校が最優先でして......。実は6月3日は、愛子さまの通う学習院初等科は休みだった。前後を休みに挟まれた4日は、雅子さまのご体調を考えると、被災地入りの絶好のタイミングだったんです。でも、両陛下のご静養入りと初の被災地訪問が重なれば、必然的にご夫妻が『出遅れた』と思われてしまいますよね......」
皇室ジャーナリストの松崎敏弥氏が言う。
「意図的に組まれた日程ではないでしょうが、結果的に皇太子ご夫妻と両陛下、秋篠宮家の距離感が浮き彫りになってしまいました」
東日本大震災の被災地は宮城県だけではない。皇太子ご夫妻の次回の被災地訪問は、愛子さまが夏休みに入ってからなのだろうか。 (仲村美希)