今夏の熊本豪雨で線路がえぐられたJR渡駅付近 (c)朝日新聞社
今夏の熊本豪雨で線路がえぐられたJR渡駅付近 (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 各地で起こる豪雨から鉄道の水害が多発している。駅の浸水リスクは、生活に密接であるため警戒しておきたい。地下鉄が危険とされがちだが、実は地上の駅にもリスクは潜んでいる。東京23区と大阪市の駅から紹介する。

【独自調査】東京23区・大阪市“水没する駅”一挙公開

「切符の販売機も全部故障していた。腰よりも高い位置にある機械も冠水するのかと驚いた」

 こう話すのは川崎市に住む会社員、岡田誠さんだ。昨年10月12、13日に台風19号が直撃し、武蔵小杉駅の一部が冠水した。JR横須賀線ホームの設備が故障し、13日の同駅は通過扱い。14日に停車を再開したが、エレベーターやエスカレーターは使えず、15日には駅構内に入るまで長蛇の列ができるなど、影響が続いた。

 浸水リスクは、地下鉄だけではない。高架化された駅でも、改札機や券売機などは1階に設置されていることが多い。線路が冠水すれば、障害物の流入や線路下にある砂利の流出などが起こることも考えられる。

 3メートル以上の浸水リスクがある地下鉄以外の駅をまとめた。目立つのは江東5区や、荒川区、北区にある駅。JR埼京線の北赤羽駅やJR常磐線の北千住駅、東武スカイツリーラインの鐘ケ淵駅、牛田駅、京成本線の千住大橋駅など多くの駅で5~10メートルの浸水が予想される。

 荒川などが決壊した場合はJR山手線などが走る有楽町駅、東京駅、神田駅、御徒町駅、上野駅、日暮里駅も3メートル未満の浸水リスクがある。

 多摩川沿いの駅も、東急大井町線の二子玉川駅で最大5メートル浸水する。東急池上線の千鳥町駅~蒲田駅、東急多摩川線の沼部駅~蒲田駅、京急本線の立会川駅~六郷土手駅、京急空港線の京急蒲田駅~羽田空港第3ターミナル駅では3メートル未満の浸水が予想されている。

 大阪市も見ていこう。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の最寄り駅、ゆめ咲線のユニバーサルシティ駅が最大5メートル浸水する。同線の桜島駅、安治川口駅、西九条駅は津波のリスクがある。

次のページ