「人生でいちばん高い買物」といえば住宅だ。その際、「持家」と「借家」のどちらを選ぶかは究極の選択である。一体どちらの方が得なのか…、単純計算ができない問題だけに頭を抱える人も多いはず。
よく雑誌の住宅特集でも取り上げられるこのテーマ、たいていどっちつかずの結果になることが多いが、不動産マーケティング会社「アトラクターズ・ラボ」社長の沖有人氏は、著書『マンションは10年で買い替えなさい』のなかで「持家を購入した方が圧倒的に有利」と断言している。
その理由のひとつに「日本の少子高齢化問題」が挙げられる。国立社会保障・人口問題研究所によれば、2060年の男性の平均寿命は84.19歳、女性はなんと90.63歳だと言う。沖氏は「いつも上方修正される経緯からすると、これ以上に長生きしていると考えた方がいい」と予想し、今生きている人の平均寿命は90歳が目安になると指摘する。
日本最大の不動産データベースを持つ沖氏がシミュレーションしたところ、賃貸で暮らす人も、家賃を払い続けて90歳まで生きると考えれば、すでにローン返済を終えている持家の人との差が広がり続ける。結果購入した方がかなりお得になるということが判明した。
家は生きていく上で必ず必要な場所であるため、誰にだって「自宅」は存在する。生涯賃貸で暮らすことと、住宅ローンで持家を購入することを比較したら、変動要因は「金利」と「寿命」の2つということが言える。これをもとに、沖氏は「持家の方が得」と確信を持っているのだ。
「少子高齢化問題」が言われて久しいが、これによって住まいの価値まで変わってしまった。人生最大の買い物だからこそ、賢い買い物をしたいものだ。