菅首相が通信業界に首を突っ込んだことで競争は止まり、時代錯誤の準国営化でさらに歪んだ市場環境が生まれそうだ。
今後数年だけを見れば、携帯電話料金が下がって国民としては喜ばしいかもしれない。しかし、大手3社は体力的に生き残れても、これまで安価なプランでシェアを伸ばしていた格安スマホや、4月に第4のキャリアとして参入した楽天モバイルは窮地に追い込まれるだろう。
格安スマホや楽天モバイルが撤退などということになれば大手3社の寡占状態に戻ってしまう。寡占状態の市場で、財やサービスの価格はどうなるのか。通信業界で、まさに中学の公民の授業で習ったことが起きようとしているのだ。(ジャーナリスト・石川温)
※AERA 2020年10月12日号より抜粋

