急に口数が減った、話しかけてもうるさがる……。小学校4年生頃からこんな子どもの変化を感じる親御さんが多いようです。「なんか反抗的」「そっけなくて寂しい」などいろいろな思いにかられますが、「これって思春期?」と思ったとき、親はどのようなかかわり方をすればよいのでしょうか。『AERA with Kids秋号』(朝日新聞出版)では、「思春期の入り口の子ども」の接し方について、花まる学習会で小学校高学年から中学生を教える大塚剛史先生に取材をしています。

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「10歳ぐらいになって、親の言うことをうるさがったり反抗的になったりするのは、思春期の入り口に立ったサイン。喜んでいい」

 大塚剛史先生はこう話します。反抗的な態度が喜ばしいとはどういうことでしょうか。

「そのような態度は順調に成長している証拠です。これまでちゃんと育ててきたから、お子さんがちゃんと反抗期に入れたんですよ」

 そうはいっても子どもの変化に戸惑うもの。実際、子どもはどのように変化していくのでしょうか。

「一般的に、10歳ごろになると自我が芽生えます。それまでは親の言うとおりにしていればいいと思っていたけれど、自分はどうしたいのか考え、現実とのギャップに思い悩むようになる。これが思春期です。中学生くらいでこの葛藤を十分に経験すると、高校に入るころには“じゃあ自分はこうしていこう”と、見えてくる。そして自分の道を歩き出します」

 葛藤したり思い悩んだりすることが思春期の姿となると、親子関係がぎくしゃくするのもうなずけます。

「しかし、ここで子どもの変化に親がうまく対応できないと、子どもが心を閉ざしたり、衝突したりすることが出てきてしまいます」

 対応の失敗の一つが、親の過干渉だと大塚先生は話します。

「自分で解決しようとがんばっている最中に、親が以前と同様に手を貸し続ける。“うるさいな、自分でする”と反抗できる子はいいのですが、自分で解決する気力が奪われてしまう子も。親の言うとおりにしたほうがラクだからです」

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松田慶子
ライター 松田慶子
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