今年の夏も厳しい暑さになりそうです。夏に多く見られる3つの不調について、小児科医の塚田佳子医師に詳しく聞きました。夏休みを元気に過ごすために、今から対策を心がけましょう! 「AERA with Kids2024年夏号」(朝日新聞出版)からご紹介します。
【図】熱中症はどんな症状がでると要注意? 進行のステップはこちら1.レジャーでの食あたりに要注意
――暑い夏は、つい冷たいものばかり食べてしまいますが、気をつけないといけませんね。
そうですね。夏場は冷たいものの食べ過ぎによる下痢や腹痛のほか、傷んだものを気づかずに食べて食中毒になる心配もあります。子どもは免疫力が発達途中。大人と同じ食材でも発症しやすく重症化しやすいということを心しておきたいところです。
とくに、レジャー先は気持ちもゆるみがちなので注意しましょう。この時期に多く見られる屋外でのバーベキューも、加熱が不十分な肉や魚を子どもが食べて、食中毒が発生するというケースはまれではありません。また、ホテルなどのバイキングやビュッフェも、つい食べ過ぎてしまうことがあります。子どもの様子を見て、ときにはストップをかけることも必要です。
食あたりの予防策として、次の4つを心がけましょう。
①「洗う」……調理前や食べる前の手洗いは、食中毒予防だけでなく感染症予防の面でも必須。また、肉や魚に触れた調理器具はよく洗ってから使いましょう。
②「火を通す」……肉や魚、加熱調理が必要な食品は、中までしっかり火を通すこと。中心 部の温度が75度で1分以上加熱が、食中毒予防の目安です。
③「市販の食品を使う」……学童や習い事、塾に持たせたお弁当が傷んでしまうことがあります。ときには冷凍食品など、市販品が安全な場合も。
④「冷蔵庫&冷凍庫」……この時期、食材は冷蔵庫や冷凍庫で保管することを基本にしましょう。「一日くらい大丈夫」「火を通したし」と思っていても、傷みは思いのほか早いのです。
そして、免疫力を落とさないためによく寝ることを心がけましょう。元気に夏休みを過ごせるよう、家族で実践できるといいですね。
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