入学や進級に向けて、子どもの学習環境を快適にしてあげたいもの。とはいえ、何かと忙しいこの季節。そこで、すぐに実践できる学習環境向上のアクションを集めました。わが家に合うものをさっそく取り入れてみましょう! 子育て情報誌「AERA with Kids 2024年春号」(朝日新聞出版)からお届けします。

MENU 小学生時代の醍醐味、リビング学習! 家の中で、子どもの集中力を上げるポイントは? リビング学習のステップ

小学生時代の醍醐味、リビング学習!

 子どもはどこで勉強していますか? 「AERA with Kids春号」読者アンケートの回答は、学年はさまざまながら約7割が「リビング」でした。

「リビング学習は、子どもが集中できる環境を整えやすいのです」と話すのは、脳科学者の細田千尋さんです。

「集中力や自らやるべきことを行う力は、10代になってから育ってきます。小学生のうちは、大人がまず環境を整え行動を促し、子どもの成長に応じて接し方を変えることが大切です。その点、リビング学習は親が子どもの様子を見られるので、自立にも導きやすい。多くの家庭で実践されている理由がわかりますよね」(細田さん)

 また、環境には「目的」が大切だと細田さんは続けます。

「たとえば、勉強することが目的なら、落ち着いた場所が集中できます。反対に遊びが目的なら、楽しい雰囲気を演出したいところ。

 こんなふうに目的によってそのときに必要な『快適』は異なるものです。そこで、なにをどこでやるのか、目的ごとにしっかりと場所を決めると、空間をより快適に整えやすくなります」

家の中で、子どもの集中力を上げるポイントは?

 新しい家具を買ったり、模様替えをしたりしなくても大丈夫。環境から心や気持ちを集中モードに切り替えるコツを、細田さんに教えていただきました。

『淡い色』で心を落ち着かせる

 子どものスペースはポップな色で楽しい雰囲気にしたいもの。「でも、学習まわりはグレーやライトグリーン、水色といった淡い寒色系の色がおすすめ。心を穏やかにして集中力を高めるといわれます。

 暖色系は注意が散漫になりやすいのですが、赤やオレンジは意欲を向上させる効果もあるので、下敷きなど小物でポイントに使うといいですよ」(細田さん)。カーテンの色を変えてみるのも、簡単だけれど効果の大きいテクニック。

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松田慶子
ライター 松田慶子

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