新型コロナワクチン有効性90%の発表を受けて、コンサート関連の株価が急上昇
新型コロナワクチン有効性90%の発表を受けて、コンサート関連の株価が急上昇
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 現地時間2020年11月9日の朝、新型コロナウイルスのワクチンの有効性が90%であることが判明したという発表を受けて、ライブ音楽関連会社の株価が急騰した。

 ファイザーのワクチン臨床試験の結果のプレス・リリース発表からわずか30分後の米東部標準時午前9時15分、ライブ・ネイションは20.8%上昇し.73(約7120円)、マディソン・スクエア・ガーデン・エンターテインメントは21.4%上げて.44(約8876円)、ドイツのコンサートプロモーターCTS Eventimは23.5%上げて.90(約5456円)となった。同時に、世界中の市場指数も上昇し、米国でダウは3.9%、S&P500は2.9%、英国でFTSE100は5.6%、ロシアRTS指数は5.3%上昇した。

 バイオテクノロジー企業のファイザーとバイオンテックによって開発されているこのワクチンは、人種的および民族的に多様なバックグラウンドを持つ43,538人の参加者を対象とした臨床試験で深刻な副作用を示さなかった、とファイザーは11月9日朝に発表した。臨床試験参加者には21日間隔で2回の投薬が行われた。薬は2回目の投薬から7日後に90%有効だとわかり、つまり最初の投薬から28日後に免疫反応が起きることを示している。ファイザーは、臨床試験が続くにつれて「最終的なワクチンの有効性のパーセンテージは異なる可能性がある」と述べた。

 ワクチンが利用可能になったとしても、利用可能数が限られているため、音楽ファンがすぐにコンサートに行けるようになることは難しい。ファイザーは現在、2020年末までに世界で最大5000万回分、2021年には最大で13億回分のワクチンの生産を見込んでいる。米国政府は、ワクチン開発後に1億回分の供給を確保しており、さらに追加で5億回分購入できることになっている。ここ数か月間、ライブ・ネイションの幹部は、同社のコンサート事業は2021年夏に大規模な運営を行うと述べている。ほとんどのファンはチケットの払い戻しを希望せず、チケットを保有している。フェスティバルの払い戻し率37%に対し、第3四半期までのライブ・ネイションの世界規模での払い戻し率は17%にとどまっている。

 ライブ・エンターテインメント、旅行、観光に関連する企業は、今年特に打撃を受けた。ワクチン開発のニュースは、これらの企業の株価をパンデミック期間中の最低水準から数倍まで上昇させるのに役立った。ライブ・ネイションの株価は現在、2020年の最低値21.7ドルから212.4%上回っている。またアメリカン航空の株価は2020年の最低値から55.4%上回り、ヒルトン・ワールドワイドは11月9日の朝に11.1%上昇し、パンデミック期間中の最低値から132.4%上回った。