「近年はCGやVRなども採り入れていますからね。無観客で会場の熱気や一体感を伝えるのは難しいかもしれませんが、それを乗り越えてどういう演出をするのか楽しみです」(太田さん)
出場歌手も世情をより反映し、SNSで火がつくなどインターネットで注目されたアーティストらも選ばれた。NiziUは、日韓合同プロジェクトで選ばれた日本人グループ。正式デビューは12月2日で、史上最速での紅白出場となる。
新型コロナに打ち勝とうというテーマが明確なだけに、意外性や遊び心は乏しくなりそうだ。長く歌手活動のなかったビートたけしが「浅草キッド」を披露した第70回、ミュージカル「刀剣乱舞」の刀剣男士やアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!!」の「Aqours」が登場した第69回に比べると、もの足りなさは感じるかもしれない。「このまま本番を迎えると地味な印象になりかねません。個人的には、まだ隠しゲストがいてサプライズがあるのではと思っています」(ある音楽評論家)
3密を避けるため、リモートを活用するなど制約も多くなることが予想される今回。いずれにしても「71回の紅白の歴史上、大きな節目の一ページになる」(太田さん)だけに注目したい。(本誌・鮎川哲也)
※週刊朝日 2020年12月4日号