朝が気分いいと、一日がいい日になる気がする(写真:TAKA-HERO / PIXTA)
朝が気分いいと、一日がいい日になる気がする(写真:TAKA-HERO / PIXTA)
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西野一輝さんの似顔絵
西野一輝さんの似顔絵

 コロナが続く状況に気が滅入る……と嘆く声をよく聞きます。現在の状況はさまざまな不安を抱かせる要素が多く、不安に駆られて意欲が下がりやすいのは間違いありません。『モチベーション下げマンとの戦い方』(朝日新聞出版)を上梓した経営・組織戦略コンサルタントの西野一輝氏が、仕事を始める朝に、やっておくとやる気が出る(気がする)お勧めの新習慣を紹介します。

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 JTBコミュニケーションデザインによる「ウィズコロナ時代のモチベーション調査」の報告書によると、会社の業績が下がって収入が下がり、さらにその状況が続くことに対する不安は相当に多いようです。

 もしかしたら、さらに悪い状況が先にまっているかもしれない――。
そんな不透明さが不安を助長し、鬱屈した思いを抱えている人は少なくありません。

 でも、何とかがんばり、前向きに何事も取り組んでいけるように自分を鼓舞していきたいもの。そこで大切なのが、「朝の過ごし方」です。感染再拡大の今こそ、朝の習慣を見直してみませんか。5つのポイントを紹介します。

1    パリッとしたビジネス仕様の服に着替える
コロナでリモートによる対応が増えると、「誰にも見られていない」と服装に対する頓着が薄れがちです。

ある企業の人事部の方が、面接を受けている人に対して「ここで起立してください」と立ち上がったら、スーツを着ていたのは上だけ。下はスェットだったという話を教えてくれました。顔しか映らない社内会議ではカジュアルウェアで問題ないと考える人が多いくらい、服装が適当になってきている気がします。

 でも、人は服装で気分が大きく変わります。

あえて、この時期に新調のビジネススーツやファッションウェアを着こなし、朝から仕事に向かう機会をつくってみましょう。適度な緊張感を生んで、仕事に対する意欲も高まるはずです。

2   一年前のスケジュールが書かれた手帳を開いてみる
去年の今ごろ何をしていたか。今年をどう乗り切ってきたか。手帳を見て、スケジュールを振り返ってみましょう。

おそらく忙しく仕事をするなど、自分や家族のために頑張ってきたはず。そのことを懐かしく思うことに加え、こんな大変な時代でもよくがんばって生きてきたと自分を慈しむ気持ちが生まれるのではないでしょうか?

先ほどの調査でも「被害状況を見ると、自分は今の仕事をがんばってやらなければと思う」「コロナ後も現在の仕事を続けたいと思う」というコメントがあったとのこと。

自分でどうすることもできないことに無力感を感じていても、何も生まれません。自分にできることが何かに気づく機会をつくっていきましょう。
 
3    これまでよりも1時間早く始業する
 在宅勤務も増えて、「自宅で長時間過ごせる環境を整えたら夜更かしになった」との声をよく聞きます。

 例えば、ゲーム端末を買ってしまい遅くまでやってしまう。ネットフリックスのような有料チャンネルに加入したので米国のドラマを朝まで観てしまった。そんな眠そうな状況で始業時間から仕事しても頭は回りません。仕事に対する意欲も下がるだけでしょう。

 仮に9時が始業であれば8時から仕事を始める。こうすると、眠い状況も1時間くらいすれば解消します。あるいは、眠すぎる状況にならないため早く寝る習慣に変える機会になるかもしれません。

 こうした1時間前倒しの始業は、いいコンディション(体調)で仕事に取り組める状況を生む出すことになります。すると気分も高まり、やる気が出るのは間違いありません。

4   毎日朝食を食べる(これまでとらなかった人こそ)
 毎日朝食を食べてから仕事をする人は6割くらいと言われています。とれない理由は時間がない、準備が面倒など。在宅勤務が増えれば前日に準備する時間が取れるようになった
のではないでしょうか?

 そもそも朝食を食べるメリットは何か? それは、体内時計が整い、脳と身体を起こし、仕事モードに切り替える機会になると言われています。たまに食べていた人やまったく食べなかった人は、この機会に習慣づけて、仕事でやる気を高める機会に活用しましょう。

5   テレビの情報番組は見ない
 朝の習慣でテレビをつけて情報番組を見ながら仕事の準備をする人は多いと思います。この習慣は根本的に悪いとはいいませんが、コロナの時期には気が滅入るニュースばかりが流されます。そこで「海外ニュースにチャンネルを変えたら悲惨な状況が映し出されて、萎えてしまった」という話もよく聞きます。

 当面は、気分が高まるような音楽を選んで流していくようにしましょう。自分はスキマスイッチのヒット曲『全力少年』を好んでかけていますが、各自のお好みで選んでみてください。

 ちょっとした行動の変化や緊張感を促す仕掛けで気分は大きく変わります。ぜひ試してみてください。

西野一輝(にしの・かずき)/経営・組織戦略コンサルタント。大学卒業後、大手出版社に入社。ビジネス関連の編集・企画に関わる。現在は独立して事務所を設立。経営者、専門家など2000名以上に取材を行ってきた経験を生かして、人材育成や組織開発の支援を行っている。