結婚どころか、何年も恋をしていない独身女性は珍しくない。年齢とともに、彼氏いない歴を重ねる。まるで恋愛スイッチオフ、な状態だ。電通が23~49歳の独身男女1200人を対象にした「『独身』意識調査 2012」では、40代独身女子の3人に2人は恋人がおらず、恋人がいない人の70%以上は「3年以上いない」という結果が出た。
なぜ恋愛スイッチを切ってしまうのか。
国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、25~34歳の女性が結婚できない理由のトップは圧倒的に「適当な相手にめぐり会わない」。恋愛オフもこの理由は大きいだろうが、アラフォーはそれだけではない。部下がいたり責任ある立場だったりすれば、否応なく「恋より仕事」にならざるを得ない。
もっともアラフォーともなると、自ら恋愛スイッチオフを選ぶ女性もいる。
メーカーの営業職としてバリバリ働くミキさん(44)は、まもなく彼氏いない歴8年になる。自然に彼ができればいいとは思う。だが仕事柄、週末は仕事。お客様の依頼があればいつでも出向く。
実はミキさん、20代と30代で結婚を2度経験している。
「2回の結婚でしみじみ、私はいわゆる『普通の結婚』には向かないと悟りました」
何しろ誰かと一緒に住むことがイヤ。同じように働いているのに、夫のために食事を作ったり洗濯したり、なぜしなくてはならないのか。自分の時間を邪魔されることも我慢できない。姉の「夫が臭い」といった愚痴を聞くたびに、「私なら我慢してまで一緒に生活できない」と思う。
家を建てる際など、何かあるたびに「結婚ってこういうものでしょ」とそれぞれの結婚観を押し付けられた。1回目より2回目の相手のほうがさらに保守的だった。
「もう日本の結婚制度に『ゲーッ』って感じですね。一人でも淋しくもないし、働いているほうが楽しい。ただ、男性とお付き合いすれば、学ぶことは多いだろうなとは思うんですけど」
※AERA 2013年3月18日号