左から、大西さんの母親が着けているアップルウォッチ=AP TECH提供、屋内HDカメラ=パナソニック提供、見守りロボット「パペロ」=NEC提供
左から、大西さんの母親が着けているアップルウォッチ=AP TECH提供、屋内HDカメラ=パナソニック提供、見守りロボット「パペロ」=NEC提供
主な高齢者の見守りサービス (週刊朝日2021年1月1-8日号より)
主な高齢者の見守りサービス (週刊朝日2021年1月1-8日号より)

 新型コロナウイルスの感染拡大で、年末年始も実家に帰省できない人が多いのではないだろうか。遠くに住む親の安否は子どもたちにとって最大の心配事だが、デジタル機器を使ったサービスを利用すれば手軽に見守れる。ただ、万能ではない。特徴を理解し、親とよく相談しながら活用したい。

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 ソフトウェア会社「AP TECH(エーピーテック)」代表の大西一朗さん(61)は、80代半ばの母親と岩手県内の実家に住む。父親は施設で暮らす。親を見守るため、家族を東京に残してきた。

 ただ、大西さんは仕事で家を不在にすることが多い。耳が遠く、視力も衰えた母親のことが心配で、心拍数や歩数、位置情報などがわかる米アップル社の腕時計型端末(アップルウォッチ)を着けてもらっている。同社のスマホ・iPhone(アイフォーン)を通じて、母親の情報を見られるからだ。

 その専用アプリを開発したのがAP TECH。2021年3月から本格的に事業展開する。料金は月1560円(税別)で、3人まで閲覧可能。月520円(同)で閲覧者を1人追加できる。必要なのはアップルウォッチの充電だけだ。大西さんは今、家族5人ほどで母親の情報をチェックしている。

「いつでも状況を確認できて、とても便利です」

 デジタル機器を使ったサービスはさまざまだ。象印マホービンが展開しているのは電気ポットの活用。レンタルのポットの底に通信機器を内蔵し、電源の入・切、給湯の情報を遠隔地に住む家族にメールで知らせる。

 ドアの開閉を検知するセンサー機器を活用したものもある。やさしい手とSBパワーが共同で提供するサービスは、玄関やトイレのドア、冷蔵庫の扉などに設置すると、スマホの専用アプリで開閉状況や生活状況がわかる。室内温度や湿度も検知し、熱中症などの危険も察知できる。

 カメラを使ったサービスもある。パナソニックの屋内HDカメラは、部屋に置いておくだけ。水平方向に約118度、垂直方向に約63度の広画角レンズで撮影。専用アプリでスマホに接続すると、遠隔地からも見られる。内蔵スピーカーとマイクで会話も可能だ。温度センサーも備え、室温も確認できる。

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