漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「おじさまと猫」(テレビ東京系 水曜24:58~)をウォッチした。
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妻を亡くし、生きる気力を失った老ピアニスト・神田冬樹(草刈正雄)は、ある日ペットショップで売れ残っていた一匹の猫ふくまる(声・神木隆之介)に出会う。
お客さんから見向きもされないブサ猫。このままでは店から下げられ、「誰もいない暗くて寒くてジメジメした」どこかに連れて行かれてしまう。
「私なんて誰も欲しがらないニャ……」
愛されることをあきらめた哀(かな)しい猫。そう、猫。問題は猫ですよ。だってこのドラマに出てくるふくまる、本物の猫じゃなくてぬいぐるみだから。
登場シーンが多いので、本物の猫を使うとストレスがかかってしまうとか、いろいろ事情はあるようだけど。ペットショップの他のケージには、ちゃんと本物の犬や猫がいて、唯一はなはだしく異色の存在感を放つでかいモフモフぬいぐるみよ。
表情やちょっとした動きなどはCGで表現されているけれど、いざ全体像を見た瞬間、なんだろうな。視覚は「猫だ」と認識しようとしても脳が断固拒否する感じ。
そんなふくまるを見た瞬間、「この猫ください」と言うおじさま。おじさま、それ猫じゃないよ!