「拘束リストにはほかにも著名な作家や1988年の民主化運動学生リーダーなど、31人ほど名前が並んでいます。今後も軍政が長引くと、このリストは増えていく恐れはある。軍事政権時代のことを思い出すと特別なできごとではないのです」(同)

 ミャンマーをとりまく国際情勢は複雑だ。近年、「最後のフロンティア」と呼ばれるミャンマーへは多くの日本企業が進出。また日本へ渡る技能実習生や留学生も増えている。一方、少数民族への人権侵害を重ねてきた国への経済的支援や投資は、国際人権団体が厳しい目を向けている。人権と民主主義を重視する米国バイデン大統領はいち早く経済制裁も辞さない姿勢を表明したが、ミャンマーが中国への依存を高めてしまう恐れがあり、実際は強硬策は取りにくいという見方もある。

 ミャンマーと取引のある企業の日本人の男性会社員は、こう話す。

「政治的な安定性を取り戻せるのか、かつて軍事政権に欧米諸国が行ったような経済制裁が本当になされるのか。複雑な事態を注視しています」

 日本政府はどのように対応するのか。その今後の展開に注目したい。(AERAdot.編集部/鎌田倫子)

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