
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丸山茂樹氏は、米PGAツアーで4位に入った53歳のスティーブ・ストリッカー選手に注目する。
【写真】米PGAツアーで4位に入ったスティーブ・ストリッカー選手はこちら
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米PGAツアーの「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」(2月4~7日、米アリゾナ州スコッツデールのTPCスコッツデール)は、例年何十万人ものギャラリーが訪れる試合ですが、今年は1日5千人限定でした。まあ、どうしようもないですね。
勝ったのはブルックス・ケプカ(30)。最終日を5打差の7位で出ると、65で回って逆転しました。かつての世界ナンバーワンが、2年ぶりのツアー8勝目です。
上がもたもたしてる間に、バンとうっちゃる。ゴルフの復活優勝には、結構このパターンが多いんですよ。サンデーバックナインというだけに、あの9ホールってのは非常に大きいんですよね。
去年はプレーオフシリーズに出られず、直近の3試合はすべて予選落ち。まあ、みんなきっかけのスイッチは持ってて、彼のような一流選手はスイッチが入った瞬間にものすごい光を放つときがありますから。
ケプカはメジャーにポンポンと勝ったあと、けがもあったし、クラブを結構いろんなのにチェンジして、迷ってまた戻したじゃないですか。メーカーを戻したんですよ。それでアイアンをまた違うところのにしたり。そういうのとか体のバランスとか、今回はすべてが落ち着いたんじゃないかなとは思いますけどね。
この試合では53歳のスティーブ・ストリッカーが4位に入りました。勝ってればツアー最年長優勝の記録を塗り替えるところでした。いやあ、おそろしい。
彼は長年ドライバーのイップスで苦労してね。ウィスコンシン州の出身なんですけども、寒い冬にコンテナの中でドライバーを何千、何万球と打ってイップスから脱却したそうです。
シニア年代になる少し前がすごかったんですよ。僕がアメリカに渡ってちょっとしてから調子悪くなっちゃったけど、何かをきっかけに調子を取り戻して、バーンとトップ選手に躍り出た。いまはチャンピオンズツアーにいっても、もちろん強いですよね。