「おなかの中にいる赤ちゃんを見てみると、最初に表れるのはレム睡眠の状態です。妊娠35週あたりからノンレム睡眠が出始めて、おなかから出てくるとだいたい半々になります。その後、レム睡眠は徐々に少なくなり、大人の睡眠割合に近づいていくのです」

 規則正しい睡眠リズムを整えるのに欠かせないのが光です。日中は日の光を浴び、夜は明かりを優しくすることでメリハリをつけてあげることが寝つきのよさに繋がるのですが、電気の普及した現代では、自然にはそうなりません。加えて、最近はコロナの影響で外出を控えている家庭もあります。感染予防には細心の注意が必要ですが、日中のお散歩などは取り入れるといいでしょう。

「昼間室内であまり光に当たらずに過ごし、夜は電気をつけるとなると、体は昼夜がわからなくなり、睡眠リズムを整えるのが難しくなります。そして、注意したいのがママやパパが見るスマホやタブレットの光です。大人でも近距離でスマホの光を浴びると寝付きが悪くなることがわかっています。最近は赤ちゃんにスマホやタブレットを見せるご両親が多く、この問題は赤ちゃんにも当てはまります。スマホの光が視界に入ることで寝付きが悪くなり、夜10時を過ぎても寝ないという子も出てきているのが現実です。睡眠リズムを整えるには、親の配慮が必要です」

 乳幼児期に夜間に十分な睡眠がとれず生活のリズムが乱れると、保育園や幼稚園、小学校に通い始めてからはもちろん、将来、社会生活を送る上でも困ってしまいます。小さいうちにしっかりと整えてあげるのがいいようです。

【赤ちゃんの眠りに関するQ&A】

Q、夜泣きがひどくて困ります。

A、目を覚ましたらすぐにおっぱいをあげたり、抱き上げてあやしたり。実は、これが夜泣きが収まらない原因になることも。泣けばおっぱいをくれるという刷り込みになり、寂しいだけでも泣いておっぱいをもらおうとする赤ちゃんもいます。また、おっぱいをもらうために定期的に目をさましてしまう悪循環にもつながります。6カ月を過ぎて、離乳食も始まっているのに夜中に何度も起きる場合には、就寝中に頻繁に授乳するのは控えましょう。浅い眠りから深い眠りへと自力で戻っていく力をつけるために、体を優しくトントンとたたくくらいにして、"構いすぎない"という姿勢も大事です。

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抱っこしながらでないと寝ません